2013年12月3日火曜日

今日の入れ歯




去年の10月に市川から来院した85才の患者さんです。

今日、下の金属床の総義歯の型をやっと取りました.

今までの通院回数なんと80回。

上の金属床は2ヶ月ぐらいで作り、下の仮義歯は3個作りました。そして

やっと今日、下の金属床の型を取りました。いや、長かったというか、患者

さんもよく通ってくれました。

最初の下の仮義歯を作ったあと、左舌側があたるので削った後、テッシュコン

を盛る。次回、来院して又、同じ所があたるので削って、又、テッシュコンを

盛る。次に、来院して又、舌側が当たる。つまり左舌側だけレジンが出てピンク

色で、右舌側はテッシュコンがどんどん厚くなるわけです。

ここで次の仮義歯を作り、また同じようにテッシュコンを繰り返します。

要するに真っすぐ噛んでいないで、曲がって噛んでいるわけで何ヶ月も

こういった調整が続きました。

どうしてこんな変な噛み方をしているかというと、前の合っていない入れ歯で

何十年も食べようとして入れ歯に合わせて無理な噛み方をしていたためです。

7、80歳で総入れ歯を使っている方の中にはこんな患者さんがたくさんいま

す。

この時期は患者さんも痛みがあるため、治療に疑問を感じているようで、

それは表情からも察することができます。

こちらとしては、ただ来てくれればいずれはよくなると思っているので

治療をやめないように願っているだけでした。

癖のある噛み方が治って来て、痛みが出なくなったのが今年の7月あたりで

顔の筋肉や顎関節が本来の動きに戻ってきたものと思われます。

このころから患者さんもにこにこするようになりました。

こちらを信頼するようになったのですが、これは食事のときに以前食べられ

なかったものが食べられるようになったことに気がつき、前と違う、これは

期待ができるなと思ってきたからだと想像します。


これは仮義歯で治療している時によく患者さんが経験することでこうなれば

こっちのものです。


患者さんも、ただ時間をかけて治療を伸ばしているのではないということが

わかってきているので、こちらとしてもいろいろ気を使わなくてすみます。

そろそろ型を取ろうかと思うと、患者さんのほうがもうちょっとやったほうが

いいのではないかと言ったりして、完全に仮歯の痛みがなくなった

今日、型を取り、お互いに頑張ったなという感じです。

10年、20年と、うまく噛めなかった入れ歯を使っていて、その入れ歯

で何とか食べようとしていたため、顎の運動が狂ってしまったのです。

そのリハビリに1年かかってしまったのです。

この患者さんは私の40年以上の入れ歯作りでの難症例の1つです。

このような特殊な症例は上に書いたような治療法しかなく、「‥‥デンチャー」とか、

「海外のメーカーの‥‥法」といったやり方で4,5回で終わるようなことはありえ

ません。顎関節のリハビリをやらずに短期間で無理に作った場合は、完成した入れ歯

の具合が悪く、出来上がったものをあちこち削って調整するということになり、その

ようにして何回も削った入れ歯は100点満点とは言えません。そして患者さんはそ

の歯科医に対して不信感を抱くのです。

この患者さんのように仮義歯を作りながら、リハビリを充分行ってから作った入れ歯

というのは完成した時点で終了となります。































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